一閃の軌道
3月16日 山口県岩国市由宇町
広島東洋カープ vs オリックス・バファローズ 2回戦
前日いなかった顔がそこにはいた。
「自分のルーティンがあるからちょっと一人にしてくれ」
そういうと男は1人奇妙な踊りを始めた。
由宇の大空よ、風よ、木々よ、草よ、花よ、虫よ。
我に力を与えたまえ。
男の名前は
パット・ミッシュ
オリックス・バファローズが2月に獲得した新外国人選手。
待望の左腕。
日本に来てすぐにインフルエンザに感染するという不運を乗り越え、
ついにベールを脱ぐ。
ジョシュ・スチュワート
ブラッド・ミルズ
ダン・ランズラー
急いで自前で探して獲得した左投手でいずれも活躍したとは言い難いが、
いずれの投手もナイスガイだということは誇って良い。
このミッシュも例に習ってかなりナイスガイ。
カープファンに「誰じゃ?」と言われながらも、
開幕2戦目の先発のマウンドへ上がる。
投球の4割がシンカーらしい。ウェークフィールドのシンカー版みたいな感じ。
なるほど、コントロールが素晴らしく良い。
3回を被安打2、無失点で颯爽と試合中に帰って行った。
タイムリーを含む2安打の奥浪鏡
プロ初安打を放つ大城滉二
2番手は高木伴
3番手は大田亜斗里
4番手は佐野皓大
トライくんのパスボールから2点タイムリーを浴び同点に追いつかれる。
同点で迎えた8回表
悪い流れを一振りで変えれるのが、主砲。
カープ久本投手から、
大きな打球音が聞こえてから、スタンドインするまであっと言う間。
弾丸一閃。
プロ第1号ホームラン!!
これが噂に聞いていたパワー!
勝ち越しホームランにも笑顔一切なく、涼しい顔。
チームメイトから自身が憧れる「ハーパー」と呼ばれる173cmの小さな大打者。
これからファンにたくさんの驚弾を魅せてくれることでしょう。
日本を代表するスラッガーへ。
8回から田口オリックスの守護神・塚原頌平
「守備の乱れ」から同点に追いつかれ引き分けと公式HPに書いていましたが、
ミスの連発でした。
セカンド堤くんのフライ落球。ランナー1塁
正面のサードゴロを雄人くんが弾き、そのボールをショート大城くんが捕って、
セカンドへ送球、それが悪送球になり、ボールは転々とライトファールゾーンへ、
ライト武田くんもカバーに入っておらず、ランナーが生還。
さすがに塚原くんも笑うしかなかったみたいです。
C3-3Bs
エラーには人一倍敏感な塩崎コーチの怒号が響き渡っておりました。
失敗を犯して、乗り越えて、成長して行く。
この若者たちが秋にはどれだけ成長しているか楽しみですね。
その過程を見ることももちろん、楽しみです。
翌日、ここ由宇球場で田口監督が初勝利を挙げました。