勝つは己に克つより大なるはなし
「思い切って来い!」
プロ20年目 38歳のキャッチャーが声を掛ける。
プロ1年目 20歳のピッチャーが大先輩のミットを目掛けて投げる。
小柄な全身を使って。
マウンドには松山真之。
育成ドラフト8位入団のルーキーと
幾多の名投手のボールを受け、名場面を経験してきたベテランがバッテリーを組む。
これもプロ野球の醍醐味の一つであると思います。
2014年からオリックス・バファローズへ。
常に傍に誰かがいて、誰かと話をしている印象。
歳が近い選手はもちろん、外国人選手や若手選手も。
普段からコミュニケーションを取っているから、
試合中でもどんな選手に対しても声を掛ける。それがまた響かされる。
いつでも直向な姿勢も若手選手の見本。
幼馴染・中島宏之選手との一枚。
幼馴染2人共が高卒でプロ野球選手になって、
別々のチームで第一線で優勝も経験して、
そして、移籍して同じチームでプレーする。
って冷静に考えたら奇跡の連続ですよね。
意外性の一打
打率が低い選手が打つと全部そう言う。
・2011.10.18 オリックスのCS進出を阻んだ決勝タイムリー
・2017.07.27 逆転サヨナラタイムリー2ベース(ファーム)
・2018.04.28 2死満塁から同点2点タイムリー
・2020.10.29 現役最後のヒットがタイムリー(ファーム)
が記憶に残っています。
2020.11.06
引退試合。いつもと変わらない試合前。
8回ウラ ネクストに姿を表すと、沸くスタンド。
引退試合で試合終盤で途中出場はさらに感動的シュチュエーション。
ファンの声援に涙。
その勝己選手のコメントを見て、確かに最高の雰囲気だったと今思い出しました。
サードゴロ。最後の意外性の一打とはなりませんでしたが、
最高のスイングでした。
9回表 1点差リード。宮城投手の初勝利、
さらに鈴木優投手にプロ初セーブがかかり、
色々重なった自身の引退試合。
最後はもちろん勝利で飾りたい最終回のマスク。
2020年最後にして最高に願った瞬間だった気がします。
20年間、ホームを守り抜いた男。
己に勝ち、プロ野球で生き抜いて来ました。
最後は2軍にいることが多く、共にしてきた若い力が
その意思を受け継いでくれると信じています。
その人柄、その魅力で、末永くオリックス・バファローズを
指導していただきたいです。